くちびるを制する者

箴10:19「ことば数が多いところには、そむきの罪がつきもの。自分のくちびるを制する者は思慮がある」
ヤコブは「舌を制御することはだれにもできません(ヤコ4:8)」と語っており、口から出る言葉をコントロールすることがいかに難しいかを教えています。ソロモンの悟りの中にも同じことが書かれています。人は話をするときに必ず嘘の要素を交えて話をするそうです。今までの研究結果では、嘘をつかない人の割合は0%です。誰もが嘘をつくのです。アメリカでは犯罪者が司法取引きという制度をよく利用します。いろいろなケースがありますが、「本当のことをしゃべるから罪を軽くしてくれ」というのが多いそうです。それほど捜査だけでは真実が暴けないことが多く、犯罪人が偽証して真実がやみに葬り去られるより、真実を暴き後の捜査に役立てたほうが得策というわけです。アメリカでは「証言」を裁判の中で重要視する傾向があり、逆に言うならそれだけ犯罪捜査での「証拠」だけでは有罪にしにくいのだと思います。たとえ「偽証しません」と誓わせたとしても、嘘をつく人は後を絶ちません。誰でも自分が不利になるようなことは話しません。みんな「嘘」をついて身を守ろうとするのです。思慮ある者と呼ばれたいのなら、くちびるを制する者になるべきです。