長寿を祈らせるのは

エズラ6:10「こうして彼らが天の神になだめのかおりをささげ、王と王子たちの長寿を祈るようにせよ」
クロス王の時代からペルシャではゾロアスター教を信仰していました。それはダリヨス王になっても変っていません。ゾロアスター教の特徴としては善悪二元論が挙げられ、善の神と悪の神が戦い、善が勝てば生命、真理を選び、もう一方の対立霊が勝つなら死や虚偽を選ぶというものです。クロス王もダリヨス王もなぜ、イスラエルの神を援助しようとしたかはわかりませんが、1つは神の霊が働き、2人の王を動かしたことが考えられます。もう1つの理由としては、古くから伝わるあの伝説の出エジプトダビデ、ソロモンというすばらしい王たちのことを聞き、彼らの信じた神にはまことの力があると考えていたのではないでしょうか?「王と王子たちの長寿を祈れ」…と命令しているのは、自分たちの信じるゾロアスターの神ではかなわない夢だったからとも取れます。イスラエル人たちを優遇したのも、彼らの神殿を復活させ、彼らにペルシャの繁栄を神に祈らせるなら、その願いが聞き入れられるかもしれない、と考えたからです。クロスもダリヨスもイスラエルの神が大きな力を持っていることは理解できても、神とイスラエルの民との間に緻密な契約があったことは知らなかったようです。彼らがやるべきことは神殿回復よりも、ゾロアスター教を捨てて、唯一の神だけを信じることだったのではないでしょうか。