王の献酌官ネヘミヤ

ネヘ1:11「『ああ、主よ。どうぞ、このしもべの祈りと、あなたの名を喜んで敬うあなたのしもべたちの祈りとに、耳を傾けてください。どうぞ、きょう、このしもべに幸いを見せ、この人の前に、あわれみを受けさせてくださいますように』そのとき、私は王の献酌官であった」
ネヘミヤのときの王はアルタシャスタでした(2:1)。もともとはペルシャ語なのでヘブライ語の表記や発音もオリジナルのものと違っています。英語では「Aritaxerexes」となり、一般的に日本の歴史書では英語読みの「アルタクセルクセス」を使っている場合が多いようです。新改訳のアルタシャスタはヘブライ語表記の発音を日本語に当てはめたもので、聖書の記述に沿った発音だと言えます。とにかく、ネヘミヤは自分が王の献酌官であり、王の側近であったことを説明しています。ペルシャはとにかくユダヤ人に友好的で、ユダヤの信じる神を差別せず、むしろ積極的に援助する立場を取っていました。最初のクロス王からダリヨスにかけてエズラは、手厚い保護と援助を受け神殿の再建に努めました。次いでアハシュエロスの時代にはエステルが王妃となり、モルデカイとともにユダヤ人を守るように働きかけました(エステル1:1)。またダリヨス王の時代にはダニエルが活躍しています(ダニ6:28)。このように、聖書の多くの本がペルシャ時代のユダヤ人の活躍を記しています。ペルシャ自体は改宗こそしませんでしたが、多くのユダヤ人が王と何らかの深い関係を持ち、彼らの信仰によって各時代の王に主の証しをしていたのです。