ラバンとヤコブ

創29:15「そのとき、ラバンはヤコブに言った。「あなたが私の親類だからといって、ただで私に仕えることもなかろう。どういう報酬がほしいか、言ってください」」
ヤコブラケル以外の何か物でも欲しがれば歴史は変わっていたのかもしれません。自分の娘、しかも誰が見ても美人の二女ラケルを欲しがったことで、ラバンの心に何かのスイッチが入ったようです。しかもヤコブは進んで7年間の奉仕を申し出るのです(19)。最初は親類だということで、実をもって対応しようとしても、相手が下手に出るとどうしても隙ある心を利用しようと思うのは世の常なのかも知れません。さらにおそらく売れ残るであろう長女レアを片付けるチャンスです。ところで当時の男女は真っ暗な中で相手の顔も見ないで一緒に寝るのが風習だったようです。朝になるまでヤコブはレアだと気づきませんでした。ラバンはハランの有力者でしたが、ヤコブの信じている神を信仰しているようでは ありませんでした。それは主以外の「まじない」にて自分のことを占っていたからです(27)。ラバンがヤコブを利用したら、ヤコブは自分の羊とヤギを増やそうと画策します。エサウをだまして逃げたヤコブの性格はここでも現れ、兄のかかとをつかんで生まれた気性の強さはなかなか消えないものです。その性格で主と相撲に勝ち「イスラエル」の名前をもらえるわけですが…。