ベニヤミンとの再会

創43:34「また、ヨセフの食卓から、彼らに分け前が分けられたが、ベニヤミンの分け前はほかのだれの分け前よりも五倍も多かった。彼らはヨセフとともに酒を飲み、酔いごこちになった」
ラケルはベニヤミンの出産と同時に死に、産まれてきた息子に「ベン・オニ」と名付けようとしました(35:18)。それは「苦しみの子」という意味で、ヤコブラケルの遺言とも言えるこの名前は使わず、「右手の子」という意味のベニヤミンと名付けました。ヨセフもラケルの子で、ベニヤミンとは同じ母から産まれた実の兄弟です。しかも、ヤコブにとってはヨセフもベニヤミンも末っ子で11番目、12番目の子でした。ヨセフとベニヤミンがどれだけ年齢が離れていたかは書かれていませんが、兄弟たちがイシュマエルの商人にヨセフを売ったのはヨセフが17歳のときです(37章)。それから13年、ヨセフは30歳になっています(41:46)。最低でも13歳以上になったベニヤミンは、ヨセフの記憶からはずいぶん変っていたと思われます。推測ですが、ヨセフが蒸発した(あるいは死んだ)とベミヤミンに知らされたのは、彼が幼年期のころだったのではないでしょうか?お互いに記憶にある姿を忘れ去られようとしている頃に再会をしているのです。父が同じであっても、母の違う兄弟たちは一致していたわけではないようです。最後は同じ血が流れていることが決定打になるようです。