シフラとプア

出1;15「また、エジプトの王は、ヘブル人の助産婦たちに言った。そのひとりの名はシフラ、もうひとりの名はプアであった」
シフラは「美しい」、プアは「輝き」とか「華麗な」という意味で、どちらもヘブル語の美しさを修飾する名前がつけられています。出エジプトはヨセフが家族を呼び寄せてから430年後に起きています(12:41)。モーセが80歳になったときパロのもとへ行き、ヘブル人を解放するように直訴しました(7:7)。そうすると、この助産婦たちの話はモーセの生まれる前の話で、ヘブル人がエジプトに住み付き、約350年が経過した頃のものです。出エジプトしたときのヘブル人の人口は徒歩で歩ける壮年の男子が60万人と書かれていますから(12:37)、婦女子や老年の人口を加えると300万から400万人ぐらいの計算になります。すでに300万人を超えるヘブル人人口の助産婦が2人というわけでもないでしょうが、シフラとプアは助産婦を統括するリーダーだったと思われます。彼女たちは勇敢にもエジプトの命令に逆らい、生まれた男子を生かしておきました(17)。彼らは「神を恐れたので、神は彼女たちの家を栄えさせた(21)」とありますが、原語の直訳では、「彼らに家族が与えられた」という訳になり、シフラとプア自身にも子どもが与えられたニュアンスになります。神を恐れる民に、必ず応えられる主は忠実なお方です。