早く祭司に見せる

レビ13:59「以上は、羊毛あるいは亜麻布の衣服、織物、編物、あるいはすべての皮製品のツァラアトの患部についてのおしえであり、それをきよい、あるいは汚れている、と宣言するためである」
現代ならインフルエンザなどのワクチンはまず医療関係に配られ、医者や看護婦は優先的にワクチンを受けることができます。患者の患部を見ることは当時でもリスクを伴っていたと思われます。それゆえ祭司の立場もかなり危ないもので、感染の恐れのある重い皮膚病に祭司自身がならないとは限りません。しかも祭司が判断するのは菌が繁殖したであろう衣服や織物、編み物、革製品にまで及ぶのです。4000年も前なら医学の知識がなくて当たり前ですが、祭司が与えられた仕事は現在の医者とあまり変わりありません。ただ、医者と違うところは病気を治す手段を持たないことです。祭司はただその症状が「ツァラト」であるかどうかを判断するだけでした。この皮膚病は最初は小さい斑点のようなものから始まり(2)、かさぶたができ、やがて白く変っていきます。ちょうどパン種のように膨れ、広まっていく様子は罪が心に入ってきたときのようです。ツァラトの病気を通してイスラエルの民が学ぶことは、患部が小さいうちに主の前に見せ、早く手を打つことでした。罪も最初は小さなささやきから始まるのです。