マナセの躍進

民26:33「ヘフェルの子ツェロフハデには、息子がなく、娘だけであった。ツェロフハデの娘の名は、マフラ、ノア、ホグラ、ミルカ、ティルツァであった」
民数記に書かれている2回目の人口調査です。その中でマナセ族の人口の増加は他部族を圧倒していました。2万500人の増加で64%の増加率です。逆にシメオンは25章にあるように、他民族との姦淫の罪のため多くを失い、63%の人口減です。もともと最も少ない民族だったマナセは2回目の人口調査のときには、他の部族に引けを取らない人口になっていました。しかし、マナセ部族には問題がありました。それは跡取りとなる直系の男子が産まれていなかったことです。ツゥロフハデには娘だけの子どもが5人いて、彼女たちは自分たちの部族を絶やさないようにモーセに直訴することが27章に書かれています(27:3-4)。せっかく増えた部族が男子がいないために滅びることは主の御心でもありませんでした。そこで主は女子であっても相続地を継ぐことができるようにモーセに命じたのです(27:8)。その後、マナセ族はヨルダン川をはさんで、西と東に分かれて住むようになり「マナセ半部族」と呼ばれるようになります(32章)。それでもマナセからはギデオンが出、聖書の歴史に多大な影響を与えるさばきつかさとなりました。もし、ツエロフハデの娘たちが勇気を出して訴えなければ、歴史も変っていたかもしれません。