ことばを混乱させ

詩55:9「主よ。どうか、彼らのことばを混乱させ、分裂させてください。私はこの町の中に暴虐と争いを見ています」
神と人、あるいは人と人との間には正しい意思疎通がなければお互い自分勝手な行いをするだけです。「盗んではならない」ということばの意味がわからなければ、盗む人がそれが悪いことだと気づくことができないでしょう。ダビデはことばを混乱させることが分裂につながることを知っていました。それは創世記にも書かれている「バベル」の事件のことを読んでいたからだと思われます(創11:9)。「混乱」はヘブル語で「balal(バラル)」で、バベルの語源だとされています。後にダビデの友人アルキ人フシャイはダビデの子アブシャロムにとんでもない作戦を言い、やがてアブシャロムが負けて死んでしまう原因を作った事実があります(2サム17,18章)。アブシャロムは自分の助言者アヒトフェルよりも、「王さま、ばんざい」と近寄ってきたダビデの友人フシャイの言うことを信じました(2サム17:14)。それはまさしくダビデが歌った「彼らのことばを混乱させ、分裂させてください」という内容に主が答えられた形になっています。人が一致し、助け合うことは正しいことのように思えますが、人との交わりが神より優先されることは神は快く思っていません。何よりもまず神への交わり、礼拝が優先されるべきなのです。