着るものがない

イザ3:7「その日、彼は声を張り上げて言う。『私は医者にはなれない。私の家にはパンもなく、着る物もない。私を民の首領にはしてくれるな』」
「医者」はヘブル語で「chabash(カバッシュ)」と言い、「結びつける」とか「くっつける」という意味です。英語キング・ジェームスやNASBでは「healer(癒す者)」と訳され、傷をくっつけるという意味から転じてそのように訳されたのだと思います。前後の意味から「民を束める」役をやりたくない…とも取れます。リーダーになりたい人は多くいますが、着るものでその資質を判断されたら困りものです。またリーダーに選ばれる者も、自分にはパンや着る物がないからと言って断るものでもないでしょう。「その日」とは主が定められた日のことで、「エルサレムとユダから、ささえとたよりを除かれる(1)」日のことです。そのときには人々の目は曇り、心の中を見ることができず、ただ外見だけで判断しようとするのです。「仲間同士で相しいたげ、若い者は年寄りに向かって高ぶり、身分の低い者は高貴な者に向かって高ぶる(5)」…あらゆることが逆転し、神の摂理がなくなるのがここに書かれた終わりの時代の比喩なのだと思います。