レツィンとレマルヤの子

イザ8:6「この民は、ゆるやかに流れるシロアハの水をないがしろにして、レツィンとレマルヤの子を喜んでいる」
レツィンはアラムの王です。レマルヤの子はペカで、17代イスラエル王プカヒヤの侍従でした。ペカはギルアデ人50人と共謀して、プカヒヤを暗殺し、18代王になった男です(2王15:25)。イスラエル王がなぜアラム王レマルヤと一緒なのかというと、アラムがユダ王国を攻め取り「タベアルの子をそこの王にしよう(7:6)」と画策していたからです。それはアッシリアに対する同盟のきっかけだったのですが、アラムとイスラエルの合同軍は、一度ユダ国に攻め入り失敗しています(7:1)。しかし、この攻撃はユダの動揺を招きました(7:2)。「シロアハの水」とはシオン山から流れる小川で、シオンは神の臨在を指しています。アッシリアに対抗するためにはアラムとイスラエルとの同盟も仕方のないことだとする風潮がユダの中にありました。この一連のアッシリアに対する、アラム、イスラエルの攻撃の中でイザヤは、主に従うかどうかをアハズに問い、その預言の中に「インマヌエル」という言葉が2回登場しています(7:14,8:8)。イザヤは目に見える強敵アッシリアを恐れるなと預言し(12)、実際にアッシリアからの征服は免れました。一方、北イスラエルはペカの次の王ホセアを最後として、滅びてしまうのです(BC722年)。