ダマスコでは

イザ17:3「エフライムは要塞を失い、ダマスコは王国を失う。アラムの残りの者は、イスラエル人の栄光のように扱われる。―万軍の主の御告げ―」
ダンからベエル・シェバにいたるまで…という表現が聖書にたびたび登場しますが(2サム3:10など)、イスラエルが獲得した領土の北から南までの境界を指す言葉です。最北はダンでダマスコはその北の山脈の地域のことで、アラムがそこを支配していました。当時台頭していた大国アッシリアに対抗するため、イスラエルとアラムは同盟を結び、さらに軍備を広げようとユダ国に話を持ちかけたのです。しかし当時の王アハズは応じず、イスラエルとアラムはユダを攻撃した事実があります(2王16:5)。アハズがアッシリアに贈り物をして機嫌を取り、アッシリアがダマスコを征服しました(2王16:9)。そのときの様子を預言したのがこの17章です。この後アハズ王はアッシリアの王に面会するためダマスコを訪れています。その場でアハズはダマスコにある祭壇に目を奪われ、それとそっくりのものを祭司ウリヤに作らせ、しかもその祭壇でいけにえを捧げたのです(2王16:10-12)。イザヤの預言を目の当たりに見ても、アハズは主を恐れずダマスコの祭壇の形のほうが格好がよく、主に向いていると勘違いしてしまったのです。