ラハブと竜

イザ51:9「さめよ。さめよ。力をまとえ。主の御腕よ。さめよ。昔の日、いにしえの代のように。ラハブを切り刻み、竜を刺し殺したのは、あなたではないか」
イザヤの言う「Rahab」は、ヨシュアの時代に斥候をかくまった女性の「Rachab」とは発音が同じですが別のものです。英語訳でも区別が付きませんが、女性の名前「ラハブ」は「広げる」とか「幅のある」という意味です。ここに登場するラハブは「chatsab(ハサーブ)」つまり切り刻むようなものだったようです。竜「ドラゴン」は、「tanniyn(タミーン)」で、創世記の初めに海に作った巨獣というのが出てきますが、そのとき使われた言葉がこの「tanniyn(タミーン)」です。またヨブ記にも「神は御力によって海をかき立て、神の英知をもってラハブを打ち砕く(ヨブ26:12)」と書かれ、ラハブが海に関する生き物だということがわかります。多くの聖書学者は「ラハブ」と「レビヤタン」を同一視しているようですが、それは同じイザヤの預言の中に「海」と「竜」が登場する一説があり(27:1)、一方では「レビヤタン」と書かれ、もう一方では「ラハブ」と書かれているからです。やがて1000年王国の終わりに最後の戦いが行なわれ、竜であるサタンは火と硫黄との池に投げ込まれます(黙20:10)。