アビガイルとナバル

1サム25:10「ナバルはダビデの家来たちに答えて言った。「ダビデとは、いったい何者だ。エッサイの子とは、いったい何者だ。このごろは、主人のところを脱走する奴隷が多くなっている」」
話をまとめると、ナバルという金持ちが持っている4000頭もの家畜(2)を守るために羊飼いが大勢いました。その羊たちを羊飼いだけで守ることは困難なため、ダビデが守ってあげていたわけです(7)。羊の毛を刈る季節はおそらく、若い羊が丸々と太り、毛も刈るほどに成長したころだと思います。それでダビデは羊を猛獣から守り、盗賊が来ても盗まれることがなかったのはダビデの一団が守ったおかげでしょう…とナバルにそれなりの好意や報酬を求めたのです。ナバルが本当にダビデを知らなかったかはわかりませんが、自分の財産が失われることがなかったことは気づいていたはずです。それでもナバルはダビデを脱走した奴隷の一味ではないかと、ダビデの申し出を断ります。サウル王に仕え、連戦連勝のダビデがそこまで知られていないとは思えませんが、ナバルがいかに傍若無人に自分の財産を治めていたかがわかります。しかし、この出来事もダビデとアビガエルが会うために主が用意されたていたのです(32)。その後アビガイルの名前はアマレク人に連れ去られるときぐらいしか登場しませんが(30:5)、ダビデが懸命に守ろうとした姿がそこにありました。