律儀なダビデ

2サム10:2「ダビデは、「ナハシュの子ハヌンに真実を尽くそう。彼の父が私に真実を尽くしてくれたように」と考えた。そこで、ダビデは家来を派遣して、彼の父の悔やみを言わせた」
ナハシュは残忍でサウル王と敵対したときに、同盟を持ちかけたヤベシュの人々に「片目をえぐり出せば守ってやろう」と暴言を吐いた人物です(1サム11:2)。後にサウルがダビデを殺害しようと追いかけたときに、何らかの友好関係がダビデとハナシュとの間にあったのかも知れません。しかし、いくらダビデが真実を尽くそうと考えても、残忍なナハシュの息子は輪をかけて残忍で、ダビデの使者にとんでもない恥をかかせてしまうのです(4)。9章ではヨナタンの家族を心配し、10章では過去に世話になったナハシュに報いようとしています。これはダビデの一連の戦いに勝ち続け、心に少し余裕が出てきた証拠ではないでしょうか?ダビデにある余裕の時間が与えられたときに何を考えるのかがわかります。7章ではまず、主の住まいのことを気にしています。そして9章、10章と自分が恩義に感じている人たちのことを思い出すのです。決して自分の私利私欲を追い求めない、律儀なダビデの性格がサムエル記を通して描かれています。このような性格だからこそ、主はダビデを愛し、多くの民からも慕われダビデの死後もダビデ再興を願う人はあとを絶たず、イエス様の時代までそれは続くのです(使1:5)。