アーメン…だけれども

エレ28:6「預言者エレミヤは言った。「アーメン。そのとおりに主がしてくださるように。あなたが預言したことばを主が成就させ、主の宮の器と、すべての捕囚の民がバビロンからこの所に帰って来るように」
ハナヌヤの詳しいことは書かれていませんが、ギブオン出身なのでベニヤミン族だと思われます(1)。ハナヌヤの預言ではバビロン捕囚は2年で終わり、ユダヤ人たちはすぐに帰ることができることになっています(3)。エレミヤは寛大にも「アーメン」とハナヌヤの言ったことを受け入れますが、「平安を預言する預言者については、その預言者のことばが成就して初めて、ほんとうに主が遣わされた預言者だ、と知られるのだ(9)」と釘を刺します。そしてハナヌヤに主からの死の宣告をしなければなりませんでした。「アーメン」はエレミヤが好戦的な性格ではなく、優しい人を受け入れる心を持っていることを示していると思います。ハナヌヤに向かって「お前はにせ預言者だ」と糾弾することもできたでしょう。耳に聞こえのいい、心地よい預言は人々の心をコントロールしやすいものです。ハナヌヤは「2年」という預言をしたのに、預言をした僅か2ヶ月後に死にました(1節、17節)。それはもはや2年という時間が成就することはないという暗黙の主からのメッセージであり、にせ預言者に対する厳しい態度を取られた結果だと思います。