60の町を取った二人

1歴2:23「ところが、ゲシュルとアラムは、その中からハボテ・ヤイルおよびケナテとそれに属する村落など六十の町を取った。これらはみな、ギルアデの父マキルの子であった」
2章では15節までにユダからダビデに至る、いわゆる聖書の中の本家の流れが書かれています。歴代誌は本流の記述だけにとどまらず、モーセ5書、ヨシュア記、士師記にあるできる限りの系図を載せています。聞きなれない名前などは、ところどころにある短い文や説明によって、歴史の流れを確認することができます。23節のマキルはマナセの子でヨセフの孫です。ヨセフ自身はマキルをひざに抱いた記述が残っており、ヨセフから三代の子孫まで共に生きたことがわかります(創50:23)。ヨセフの長子であったマナセは、祖父ヤコブが死ぬ間際に右手をエフライムに置かれたことによって、祝福はエフライムに移ってしまいます(創48:17)。しかし、ここではマナセの系図が先に書かれ、彼の子マキルの子たちが23の町か ら37多い60の町にしたことが記されています。「ハボテ・ヤイル」はマナセの子ヤイルのもので(民32:41)、ゲシュル人とマアカ人から奪った土地だとあります(申3:1)。仮にゲシュルがゲシュル人と同じだとするなら、彼らがイスラエル人によって追い払われなかった理由の一つがこの短い文に書かれているのではないでしょうか?