レビとマタイ

ルカ5:29「そこでレビは、自分の家でイエスのために大ぶるまいをしたが、取税人たちや、ほかに大ぜいの人たちが食卓に着いていた」
マタイ、マルコ、ルカの共観福音書にはすべてこの記事が書かれていますが(マタ9:10、マルコ2:15)、ルカだけはこの食事はレビの家で行なわれたとしています。それそれある取税人の招命の後にこの食事のシーンがあり、その取税人の名前はマルコ、ルカではレビになっており(27、マコ2:14)、マタイだけはマタイとされています(マタ9:9)。このマタイとレビを別人とする意見もありますが、同一視する人も多いようです。また、マルコではレビは「アルパヨの子」と書かれていますが(マコ2:14)、12弟子を紹介する記事では3つの共観福音書すべてが「アルパヨの子ヤコブ」と紹介しています(マタ10:3、マコ3:18、ルカ6:15)。レビはアルパヨの子ヤコブと兄弟だったのか?それともマタイの別名だったのか?謎は深まります が、レビという名前からマタイという名前に変わったということも考えられます。レビは「結ぶ」という意味で、マタイは「神の賜物」という意味です。マタイが伝承の通り、マタイの福音書の著者であるなら、イエス様に呼ばれた後、自分のことをレビとは呼ばずに「神の賜物」と呼び、以降周りの弟子たちにもそれが浸透したため、レビとマタイの名前の違いが生まれたのかもしれません。