取税人のかしらザアカイ

ルカ19:2「ここには、ザアカイという人がいたが、彼は取税人のかしらで、金持ちであった」
エス様はエルサレムに向かっていて、サマリヤとガリラヤの境を通っていました(17:11)。エリコはちょうどサマリヤとの境にある都市で、ヨシュアの時代にラッパを吹き鳴らして打ち破ったことで有名です(ヨシュ6章)。18章ではエリコに入る前に盲人を癒した記事があり(18:35-43)、ここでいよいよエリコに入ったわけです。エリコはぎりぎりサマリヤで、サマリヤ人はユダ、ベニヤミン、レビ族以外のユダヤ人たちが住んでいました。そこで取税人ザアカイに出会います。「取税人のかしら」というのはギリシャ語で「architelones(アキテロネス)」と言い、新約の中ではここだけに使われている珍しい単語です。ひょっとしたらエルサレムユダヤ地区とは違った、サマリヤ地区オリジナルの役職だったのかもしれません。とにかくザアカイの今までの行為は褒められたものでなく、役職こそ「取税人のかしら」でしたが、多くの人から金を巻き上げ、本人の弁によるなら「だまし取った(8)」物があったそうです。それでもイエス様は彼 の中にある信仰を見抜き、アブラハムの子孫だと言い、彼を受け入れたのです。