牛にくつこを掛けてはいけない

1テモ5:18「聖書に「穀物をこなしている牛に、くつこを掛けてはいけない」、また「働き手が報酬を受けることは当然である」と言われているからです」
一般に聖書からの引用は旧約からのものです。この「聖書」は英語では「scriptures」で、原語では「grafa(グラフェ)」なり、イエス様が「聖書を読んだことがないのですか(マタ21:42)」と言われた「聖書」と同じギリシャ語です。牛にくつこを掛けるとは、物を食べないように口にはめるかごを牛につけることです。申命記からの引用ですが(申25:4)、働き手が報酬を受けることに関しては、それに相当する旧約の箇所はありません。ただ「賃金は、その日のうちに、日没前に、支払わなければならない(申24:15)」という箇所が新改訳の参考箇所にあります。パウロが牛のくつこを取り上げたのはこれが初めてではありません。コリントの手紙の中には「いったい神は、牛のことを気にかけておられるのでしょうか(1コリ9:9)」と書かれ、牛は比喩に過ぎないことが示されています。ここでは長老たちが尊敬され、御ことばに専念し、彼らが生活に困ることのないように配慮されるべき…とテモテに教えているのだと思います。