あなたの名を教えてください

創32:29「ヤコブが、「どうかあなたの名を教えてください」と尋ねると、その人は、「いったい、なぜ、あなたはわたしの名を尋ねるのか」と言って、その場で彼を祝福した」
結局、その人の名前はヤコブに教えられていません。実は士師記の中にも同じ言葉がサムソンの父マノアに対して言われています。「なぜ、あなたはそれを聞こうとするのか。わたしの名は不思議という(士13:18)」とこの時にはすぐに自分は「不思議」という名前だと語られています。また、モーセも主の言葉を伝えようとしたとき、誰があなたにそのことばを授けたのか…と尋ねられると思い、「彼らは、『その名は何ですか』と私に聞くでしょう。私は、何と答えたらよいのでしょうか(出3:13)」と尋ねています。そして「わたしは、『わたしはある』という者である(出13:14)」と名前を告げられています。聖書の中で3人が神の名前を尋ね、ヤコブだけがその答えをもらえなかったのです。それでも「イスラエル」つまり「神に打ち勝った」という名前を与えられます。それが現在のユダヤ人たちの国の名前になっているのです。名前はわからなくても神を見ても命があったことを記念してその場をペヌエルと名付けました。ヤコブの前にいきなり現れたその人はモーセにもマノアにも名前を聞かれた同一のお方だったのだと思います。