死刑に当たる罪がある

マコ14:64「「あなたがたは、神をけがすこのことばを聞いたのです。どう考えますか。」すると、彼らは全員で、イエスには死刑に当たる罪があると決めた」
そもそもなぜイエス様が逮捕されたかもわかりません。祭司長レベルの決定では、イエス様を死刑にできません。ローマの法律にのっとり、ローマから権限を与えられた裁判官や権力者の裁定がなければ、勝手に罪状を決めてさばくことができないからです(ヨハ18:13)。彼らの裁決は「神をけがした」罪で、死刑だと決めました。本来なら次はガリラヤを治めているヘロデ王に伺いを立てるはずですが、どの福音書にもヘロデ王に送られた記述はありません。いきなりユダヤ総督(ルカ3:1)のピラトのところに送ったとあります(15:1) 。むしろピラトのほうがイエス様がガリラヤ出身だと聞き、ヘロデ王に送っているほどです(ルカ23:7)。ルカによればヘロデとピラトは敵対していた関係だとあります(ルカ23:12)。ともあれ正式な手順を踏んで、ピラトはイエス様をさばくことになり、彼の決定はローマの決定と同じ効力を持ちます(ヨハ19:10)。それでもピラトは死刑に乗り気ではありませんでした。祭司長たちのねたみに気づいていたからです(15:10)。結局イエス様の罪は最後まで見つからなかったのです。