正しいさばきを行なった

1歴18:14「ダビデイスラエルの全部を治め、その民のすべての者に正しいさばきを行なった」
アブシャイが1万8千のエドム人を打ち殺したのに対し(12)、ダビデはアラムを2万2千打ったとあります(5)。もちろん数がすべてではありませんが、ダビデのほうが戦略に優れ、ヨアブ、アビシャイという将軍たちよりも戦いに慣れていたことがわかります。ダビデの戦い上手は多くの勇士たちを引き寄せましたが(7章)、それよりも彼の統治のあり方が正しかったことがイスラエルが平和に導かれた要因として挙げられます。「正しいさばき」の「正しい」のヘブル語は「tsedaqah(ツェダカ)」で、アブラハムが主を信じたときに「義」と認められた「義」と同じ言葉です。ダビデは自分が正しいと思うことではなく、主が正しいとされたことを判断の基準としたことがわかります。いくら戦いが強く、領土を広 げられたとしても、戦いが終わり平和なときにどのように国を治めていくのかが大きなポイントになります。ダビデはその点でも長けており、正しい判断をすべての民にすることができました。文武両道とは日本のことわざですが、ダビデはまさしくその言葉にふさわしい王だったと思います。イスラエルが現在でも、ダビデを慕い、国旗にはダビデのマークである五芒星を採用していることからも、彼の人気の高さはうかがい知れます。