エゼキエル28章 ツロの王について

エゼ28:12「人の子よ。ツロの王について哀歌を唱えて、彼に言え。神である主はこう仰せられる。あなたは全きものの典型であった。知恵に満ち、美の極みであった」
「あなたは人であって、神ではない(2)」と言われたのはツロの「君主」に対してです。「知恵に満ち、美の極み」だと称されたのは、ツロの「王」のことです。ヘブル語で「君主」は「nagiyd(ナギード)」で、「王」は「melek(メレク)」が使われています。同じように思える2人は、一人はヘブル語で「人間」を指す「adam(アダム)」と呼ばれ、もう一人は「tokniyth(トクニース)」、つまり「完全」な者と呼ばれています。最初の「君主」は「刺し殺される者の死を遂げる(5)」と預言され、高ぶった(5)ゆえに厳しいさばきを受けます。もう一人の「王」は火で焼かれ、地上の灰(18)となります。この2番目の「ツロの王」をめぐって多くの解釈がなされていますが、エデンの園にいたということで、蛇あるいはサタンと考えるのが自然です。まだアダムとエバしかいなかった地上で、誰を相手に商売をしていたかはわかりませんが、ツロの王は罪を犯してしまいます(16)。「あなたが造られた日からあなたに不正が見いだされるまで(15)」がどのぐらいの時間だったのでしょうか?おそらくアダムが造られる前に、神とツロの王の間で罪とさばきが行われたのは間違いありません。