箴言10章 主は正しい者を飢えさせない

箴10:3「主は正しい者を飢えさせない。しかし悪者の願いを突き放す」
「正しい」のヘブル語は「tsaddiyq(ツァディーク)」で、「悪者」は「rasha(ラシャー)」が使われ、この章の中でこの対比は13回に及びます(3,6,7,11,16,20,21,24,25,28,30,31,32)。英語では「righteous」と「wicked」が使われ、「義」と「悪」のことです。この世に不変の正義はないと考えている人も多いようですが、聖書では神への信仰が「義」だと書かれています(ロマ3:22)。神を信じる者、あるいは神に従う者は「義」と見なされるのです。ソロモンの言う「正しい」とは、天地を造られ(創1:1)、アダムを創造し(創2:7)、アブラハムと契約を交わし(創12:2)、ヤコブに現れた(創28:13)神への信仰を意味します。この聖書の神に従う者は「正しい者」で、従わない者を「悪者」と呼んでいます。神は「正しい者」をいつも心に留めておられ、飢えさせませんが、「悪者」はどんなに願っても突き放す、とあります。それゆえに生活の中でどんなに不条理な出来事があっても、主は見ておられることを知るべきでしょう。そのことを決定付けるかのように、ソロモンは「正しい者の報酬はいのち。悪者の収穫は罪(16)」という箴言を残し、両者の得るものは決定的に違うことがわかります。パウロも「罪から来る報酬は死(ロマ6:23)」だと訴え、悪者が得るものは結局は死なのです。