箴言23章 心のうちでは勘定ずく

箴23:7「彼は、心のうちでは勘定ずくだから。あなたに、「食え、飲め」と言っても、その心はあなたとともにない」
「勘定ずく」というのは、英語では「cost」と訳され、それがいくらかかるかを計算しているという意味になります。ヘブル語では「nephesh(ネフェシュ)」が使われ、「たましい」とか「いのち」という意味があります。食事を勧めてくる人は、それが無償のものではなく、何かしら利益を得たいというひも付きのおごりなのだと思います。ここでは食事を勧める人を「支配者」だと言っています(1)。ソロモンの知恵を聞きに、うわさを聞いた全ての王が来たことが聖書に書かれています(1王43:4)。そのような高い位の王たちと食事をする機会もあったのでしょう。彼らはソロモンにごちそうを勧めますが、それは彼らが抱えている問題にソロモンの知恵を必要としていた政略的な宴会の場だったのかもしれません。そのときソロモンは、彼らは「勘定ずく」だと悟ったのだと思います。また、ソロモンは酒に関しても強く戒めています(20)。ぶどう酒が赤く、盃の中で輝いて見えるときは注意が必要です(31)。もし、度を超えてぶどう酒を飲んでしまうなら、酒は蛇のように噛みつき、まむしのように刺す、とあります(32)。食べるものや飲むものにも誘惑があり、落とし穴があるのは残念なことです。おごらず、高ぶらず、質素な食事で満足できるなら、その人は平安を得ることができるでしょう。