詩篇38篇 私の傷は、悪臭を放ち

詩38:5「私の傷は、悪臭を放ち、ただれました。それは私の愚かしさのためです」
傷が悪臭を放つとなるとかなりひどい状態です。愛する人や友人もダビデの「疫病み(えやみ)」を避けて立っていると書かれています(11)。「えやみ」はヘブル語では「nega(ネゲイ)」という単語が使われています。これは出エジプトのとき、主が言われた「パロとエジプトの上になお一つのわざわいを下す(出11:1)」の中の「わざわい」にこの単語が使われています。英語では「plague」で「疫病」という意味になります。ダビデがいったいつ傷がただれるような病気になったのかはわかりませんが、腰にはやけどのようにただれ、肉の部分もかなり傷んでいるようです(7)。当時のはやり病といえば、真っ先に「ツァラアト」と思い出しますが、定かではありません。唯一、この詩からわかることはダビデが何か罪を犯して、主の怒りを買っていることです(1)。。失敗したことはダビデも重々わかっていたようで(4)、ダビデ自身に主の怒りの矛先が向いています(3)。しかし、詩篇38篇の表題は「記念のため」だと書かれています。こんなひどい状態でも主を待ち望み、自分の傷を見てそれは主に対する「メモリアル」だと言っているのです。ダビデでなければ、このようなタイトルはつけられないでしょう。