ハマテのトイ

2サム8:10「そこでトイは、その子ヨラムをダビデ王のもとにやって、安否を尋ねさせ、ダビデがハダデエゼルと戦ってこれを打ち破ったことについて、祝福のことばを述べさせた。ハダデエゼルがトイに戦いをいどんでいたからである」
アラム、モアブ…アマレク(12)は、イスラエルの近隣で境界がイスラエルに接している国々でした。ハマテはハマトとも言い、現在の地名は「ハマー」でシリア(カナン)に属する都市です。やがてカナンの首都として聖書に登場します(2王23:33)。シリアは現在のイスラエルの北に面し、イスラエルは北のアラムの山地を越えては戦争をしていませんでした。ハマテの地はトイ(トウ)とツォバの王ハダデエゼルとの間で取り合いをしていました。歴代誌ではハダデエゼルがユーフラテス川流域に勢力を伸ばそうとしたため、ダビデが打ったと書かれています(1歴18:3)。トイとしては、自分の戦争相手をダビデがいとも簡単にたたいてくれたので、「たなボタ」状態です。しかしダビデはハマテを占領するわけではありませんでした。ハマテは自然にライバルのトイの支配が確定しました。自分の息子を遣いに出し、贈り物や祝福の言葉を述べさしたのは、ダビデに対する感謝というより、「自分はおとなしくしているから攻撃しないでくれ」という、ダビデの戦意に対して釘を刺しに行ったのだと思われます。