エホバとエロヒム

1サム4:4「そこで民はシロに人を送った。彼らはそこから、ケルビムに座しておられる万軍の主の契約の箱をかついで来た。エリのふたりの息子、ホフニとピネハスも、神の契約の箱といっしょにそこに来た」
新改訳では「YHWH」と書かれている部分はすべて太文字の「主」になっています。訳にもよりますが、全部で6859回あるとされています。この章では「神」と「神々」と「主」とが入り混じっており、特にこの4節では最初は「主の契約の箱」となっており、次には「神の契約の箱」と書かれて統一性がありません。原文へブル語では、最初は「YHWH」のいわゆる「ジェホバ」あるいは「ヤハーウエ」で、次の神は「elohiym(エロヒム)」となっています。またペリシテ人が「神々」といっている部分はすべて「elohiym(エロヒム)」と書かれています。エロヒムそのものはもともと「エール」の複数形ですから、エロヒムと発言した段階で「神々」と言っていることになります。いわゆるト書きの部分や、他民族やイスラエルに関係ない人たちの場合には「神」が使われ、イスラエルの民の言葉や彼らにまつわる場合には「主」が使われているようです。ホフニとピネハスの場合は主に従わなかったため、部外者として扱われています。11節にもホフニとピネハスの言葉には「神の契約の箱」となっており、「主」は使われていません。厳しい仕打ちですが、神の栄光をここまで綿密に聖書に記した筆者の心意気に頭が下がります。