正しい者の血

ヘブ12:24「さらに、新しい契約の仲介者イエス、それに、アベルの血よりもすぐれたことを語る注ぎかけの血に近づいています」
福音書にはアベルの血について「義人アベルの血からこのかた、神殿と祭壇との間で殺されたバラキヤの子ザカリヤの血に至るまで(マタ23:35、ルカ11:50)」と書かれています。ザカリヤを旧約のゼカリヤと混同し、ゼカリヤ書を書いた預言者ゼカリヤだと言う人もいますが、彼は「イドの子」となっています(ゼカ1:1)。バラキヤの子ザカリヤはおそらくバプテスマのヨハネの父のことだと思われます。聖書の外典ヤコブ福音書にはヘロデ王が誕生したイエス様を見つけられず、激怒して祭司ザカリヤを殺した記述があります。最初の殺人から十字架の前までに殺された義人の血の責任をこの時代は取るのだとイエス様は言われたのです(ルカ11:50)。正しく生きた多くの預言者は殺されていきました。しかし、新しい契約(ギリシャ語で「deatheke(デアヘケ)」)は、正しい者の血が流されたことより、もっ とすぐれた捧げものが捧げられたことを示しています。血を流し、死んだ者は生き返りません。唯一イエス様だけが死を乗り越え、新しい契約の仲介者となりえるのです。