賢く取り扱おう

出1:10「さあ、彼らを賢く取り扱おう。彼らが多くなり、いざ戦いというときに、敵側についてわれわれと戦い、この地から出て行くといけないから」
「賢く」は英語では「wisely」で、ヘブル語は「chakam(カハーム)」が使われており、文字通り「賢くする」とか「賢いふるまい」という意味があります。賢く扱った結果、彼らに課する過酷な労働で、彼らの生活を苦しめた(14)、とあります。後世のユダヤ人を捕囚としたバビロンやペルシャとは真逆の扱い方です。それらの時代にはある者はその美貌で王妃となり(エステル2:17)、ある者は王の献酌官となり(ネヘ1:11)、ある者は大臣の位までになりました(ダニ6:2)。エジプトもヨセフの時代のパロはヨセフがヘブル人だと判っても差別せず、王に次ぐ者として扱いました(創41:41)。しかしヨセフを知らない新しい王になったときに(8)迫害が始まるのです。果たしてユダヤ人をいじめることが、賢く取り扱ったことになるのでしょうか?アブラハム契約、つまり「あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう(創12:3) 」はどの時代でもあてはまり、エジプトがヘブル人を受け入れる姿勢から、迫害に変わった瞬間、エジプトから祝福は消えてしまったのです。