改心してたかも

マタ14:9「王は心を痛めたが、自分の誓いもあり、また列席の人々の手前もあって、与えるように命令した」
王に直接「あなたは罪を犯している」と言うなら、捕らえられて当たり前です。ヘロデ・アグリッパはヨハネの言うことを無視することもできたでしょう。しかしヨハネの人気は高く、彼の発言が民衆を動かすとなると放っておくわけにはいきません。マルコでは、当初憎むべきヨハネが潔白なのを知り、ヨハネの語ることに当惑しながらも耳を傾けていたことが書かれています(マコ6:20)。心を痛めたのはヨハネの語ることばにヘロデの心が動かされていたからです。そうすると、ヨハネを憎んでいたのはヘロデヤであり、殺したのもヘロデヤということになります。兄弟の妻を奪うことよりも、ヘロデヤがイエス様を殺そうと2歳以下の子供を惨殺したあのヘロデ王の孫なのが問題でした。つまりヘロデ大王の息子と孫が結婚することが律法に反しているというわけです(レビ18:6)。ヘロデヤの娘の名前はサロメとして有名ですが、聖書の中にはその名前は登場しません。唯一「ユダヤ古代誌」と呼ばれる歴史書サロメが登場し、その父母の関係が、聖書に登場する人間関係と一致することから同一人物とされています。妻の執念が、王の改心よりも先に働いてしまったのです。