2020-01-01から1年間の記事一覧

詩篇89篇 彼に対して真実である

詩89:28「わたしの恵みを彼のために永遠に保とう。わたしの契約は彼に対して真実である」「彼」とはダビデのことです。ダビデと契約を交わしたというなら、おそらく「彼はわたしの名のために一つの家を建て、わたしはその王国の王座をとこしえまでも堅く立てる(2サ…

詩篇88篇 亡霊が起き上がって

詩88:10「あなたは死人のために奇しいわざを行なわれるでしょうか。亡霊が起き上がって、あなたをほめたたえるでしょうか。セラ」 「死人」のヘブル語は「muwth(ムース)」が使われており、「亡霊」には「rapha(ラーファ)」が使われています。どちらも「死」を表す単語で…

詩篇87篇 この民はここで生まれた」

詩87:6「主が国々の民を登録されるとき、「この民はここで生まれた」としるされる。セラ」 5節には「だれもかれもが、ここで生まれた(5)」とあります。シオンを一箇所だとすると、そこで生まれた者は数えるぐらいしかいないことになります。しかし、「だれもかれ…

詩篇86篇 心を尽くしてあなたに感謝し

詩86:12「わが神、主よ。私は心を尽くしてあなたに感謝し、とこしえまでも、あなたの御名をあがめましょう」 ダビデはいくつかの願いを主にしています。「私に答えてください(1)」、「たましいを守ってください(2)」、「あわれんでください(3)」という願いです。しか…

士師記20章 ユダが最初だ

士20:18「イスラエル人は立ち上がって、ベテルに上り、神に伺って言った。「私たちのため、だれが最初に上って行って、ベニヤミン族と戦うのでしょうか。」すると、主は仰せられた。「ユダが最初だ」」ベニヤミンの領地はヨセフ(エフライム)とユダの間にありま…

士師記19章 エジプトの地から上って来た日から今日まで

士19:30「それを見た者はみな言った。「イスラエル人がエジプトの地から上って来た日から今日まで、こんなことは起こったこともなければ、見たこともない。このことをよく考えて、相談をし、意見を述べよ」」この話の中心のレビ人の名前は書かれていませんが、…

士師記17章 主が私をしあわせにしてくださる

士17:13「そこで、ミカは言った。「私は主が私をしあわせにしてくださることをいま知った。レビ人を私の祭司に得たから」」この話は別に異邦の国の話ではありません。ミカはエフライム族で(1)、通りかかったレビ人もユダのベツレヘムから来たと言っています(9)…

士師記16章 自分の心をみな明かした

士16:18「デリラは、サムソンが自分の心をみな明かしたことがわかったので、人をやって、ペリシテ人の領主たちを呼んで言った。「今度は上って来てください。サムソンは彼の心をみな私に明かしました。」ペリシテ人の領主たちは、彼女のところに上って来た。…

士師記15章 ペリシテ人が私たちの支配者である

士15:11「そこで、ユダの人々三千人がエタムの岩の裂け目に下って行って、サムソンに言った。「あなたはペリシテ人が私たちの支配者であることを知らないのか。あなたはどうしてこんなことをしてくれたのか。」すると、サムソンは彼らに言った。「彼らが私に…

士師記11章 三百年間住んでいたのに

士11:26「イスラエルが、ヘシュボンとそれに属する村落、アロエルとそれに属する村落、アルノン川の川岸のすべての町々に、三百年間住んでいたのに、なぜあなたがたは、その期間中に、それを取り戻さなかったのか」 エフタの話しているのはイスラエルがヨルダ…

士師記9章 この町のつかさゼブルは

士9:30「この町のつかさゼブルは、エベデの子ガアルの言ったことを聞いて、怒りを燃やし」ガアルがシェケムを通りかかったとき(26)、と書かれていますが、偶然通りかかったようには思えません。彼は「シェケムの父ハモルの人々に仕えなさい(28)」と訴えています…

士師記7章 ギデオンの剣にほかならない

士7:14「すると、その仲間は答えて言った。「それはイスラエル人ヨアシュの子ギデオンの剣にほかならない。神が彼の手にミデヤンと、陣営全部を渡されたのだ」」ギデオンとギデオンの従者プラは、敵陣に偵察に行き、たまたまある男が夢の話をするのに遭遇します…

士師記6章 酒ぶねの中で小麦を打っていた

士6:11「さて主の使いが来て、アビエゼル人ヨアシュに属するオフラにある樫の木の下にすわった。このとき、ヨアシュの子ギデオンはミデヤン人からのがれて、酒ぶねの中で小麦を打っていた」 酒ぶねは、ぶどうを足で踏む大きな木の箱で、人がしゃがむと外からは…

士師記2章 エグロンはアモン人とアマレク人を集め

士3:13「エグロンはアモン人とアマレク人を集め、イスラエルを攻めて打ち破り、彼らはなつめやしの町を占領した」「なつめやしの町」とは、申命記によればエリコだと書かれています(申34:3)。もともとヨルダン川を渡る前の東側はアモン人の領土でした(申2:21)。…

士師記1章 アクサを妻として与えよう

士1:12「そのときカレブは言った。「キルヤテ・セフェルを打って、これを取る者には、私の娘アクサを妻として与えよう」」 オテニエルは兄の娘、つまり姪と結婚したことになります。結婚の条件はキルヤテ・セフェルを打つことです。カレブが期待したのは、「デビ…

詩篇84篇 なんと幸いなことでしょう

詩84:4「なんと幸いなことでしょう。あなたの家に住む人たちは。彼らはいつも、あなたをほめたたえています」 「幸い」ヘブル語「eshar(エシャー)」は、「祝福された」とか「幸せ」の意味があります。84篇では「なんと幸いなこと」が3回繰り返され(4、5、12)、1節の「なんと…

詩篇83篇 こうして彼らが知りますように

詩83:18「こうして彼らが知りますように。その名、主であるあなただけが、全地の上にいますいと高き方であることを」 イスラエルの敵はイシュマエル、モアブ、ハガル、ゲバル、アモン、アマレク、ツロ、ペリシテだと書かれています(6-7)。イシュマエルはアブ…

詩篇82篇 神は神々の真ん中で

詩82:1「神は神の会衆の中に立つ。神は神々の真ん中で、さばきを下す」 この「神々」は、6節にある「おまえたちは神々だ」の「神々」のことです。「神々」のヘブル語は「elohiym(エロヒーム)」で、特定の神を指しているのではなく、いわゆる一般的な名刺「神」を意味します…

詩篇81篇 メリバの水のほとりで

詩81:7「あなたは苦しみのときに、呼び求め、わたしは、あなたを助け出した。わたしは、雷の隠れ場から、あなたに答え、メリバの水のほとりで、あなたをためした。セラ」 やはり神にとっても、イスラエルの民にとっても出エジプトは大きな分岐点となった出来事…

詩篇80篇 私たちをもとに返し

詩80:3「神よ。私たちをもとに返し、御顔を照り輝かせてください。そうすれば、私たちは救われます」3回繰り返されるこのことばは(7,19)、この詩の主題になっていることばです。いったいアサフは、どの時点から元に戻してほしいの願っているのでしょうか。エジ…

詩篇79篇 あなたを知らない国々に

詩79:6「どうか、あなたを知らない国々に、御名を呼び求めない王国の上に、あなたの激しい憤りを注ぎ出してください」エルサレムが廃墟(1)になったのはバビロン捕囚のときです。2017年度訳では「エルサレムをがれきの山としました」となっています。ユダ国はヨシ…

詩篇77篇 あなたのみわざを、静かに考えよう

詩77:12「私は、あなたのなさったすべてのことに思いを巡らし、あなたのみわざを、静かに考えよう」 人生でどん底を味わうとアサフの詩のように考え始めます。それは「主は、いつまでも拒まれるのだろうか。もう決して愛してくださらないのだろうか(7)」という思…

詩篇76篇 彼らは全く眠りこけました

詩76:5「剛胆な者らは略奪に会い、彼らは全く眠りこけました。勇士たちはだれも、手の施しようがありませんでした」このことばを聞くとき、ヒゼキヤ王の時代のアッシリア包囲が思い出されます。アッシリヤがユダ国を包囲し、絶体絶命だったときイザヤによって(…

詩篇75篇 角を上げるな

詩75:4「わたしは、誇る者には、『誇るな』と言い、悪者には、『角を上げるな」 イエス様は父なる神からの杯を「どうしても飲まずには済まされぬ杯でしたら、どうぞみこころのとおりをなさってください(マタ26:42)」と、飲むことが難しいことを告白しています。ア…

詩篇74篇 あなたは月と太陽とを備えられました

詩74:16「昼はあなたのもの、夜もまたあなたのもの。あなたは月と太陽とを備えられました」アサフがイメージする神は、ヨブのものに似ています。ヨブもまた竜やレビヤタンを引き合いに出し、いかに神が強い力を持っているかを語っています(ヨブ41章)。太陽が昇…

詩篇73篇 これを知ろうと思い巡らした

詩73:16「私は、 これを知ろうと思い巡らしたが、それは、私の目には、苦役であった」アサフは人生の中でつまづきそうになってしまいます(2)。それは、「私が誇り高ぶる者をねたみ、悪者の栄えるのを見たからである(3)」とあります。悪者は何事もなかったように…

詩篇72篇 公正をもってさばきますように

詩72:2「彼があなたの民を義をもって、あなたの、悩む者たちを公正をもってさばきますように」 列王記では、ソロモンが主から「何を与えようか。願え(1王3:5)」と聞かれたときに、「民をさばくために聞き分ける心(1王3:9)」と答えたことに喜んだ主が知恵の心と判断…

詩篇70篇 ダビデによる。記念のために

詩70「指揮者のために。ダビデによる。記念のために」51篇から始まるダビデの人生の節目に起きた出来事の中で、ダビデが主に賛美を捧げた詩が続いています。72篇の最後「エッサイの子、ダビデの祈りは終わった(72:20)」で詩篇の一区切りとなっており、73篇からは…

2テモテ4章 世を去る時はすでに来ました

2テモ4:6「私は今や注ぎの供え物となります。私が世を去る時はすでに来ました」 多くの伝承ではパウロは皇帝ネロに首をはねられて死んだことになっています。「世を去るとき」というのは、死刑の判決を受けたことを指しているのかも知れません。その仮定のとおりだ…

2テモテ3章 見えるところは敬虔であっても

2テモ3:5「見えるところは敬虔であっても、その実を否定する者になるからです。こういう人々を避けなさい」 パウロのような経験豊かな伝道者になると、人の欺まんなどは簡単に見抜いてしまいます。しかし、テモテはそうではなさそうです。一見、敬虔そうに見える…